いつも右手に鞄を持つ 2

こんにちは、横浜 南区で出張・訪問整体をしています、エウレカ訪問整体の吉崎です。

前回の続きです。

重い鞄をいつも右手に下げて歩く癖のあるMさん。重い鞄、ヒールでの歩行など色々要素が重なり、軽い左側への側彎があることが発覚。

それまでは背中や肩こりをほぐしたくてリラクゼーションを求めていたのですが、急遽そこに「側彎の改善」というテーマが現れました。

しかし、リラックスもしたい。というかそっちが本命。

Mさんの側彎は、筋緊張の左右差が取れることが肝要なのでその過程でリラクゼーションもあってもいいと私は思いました。これがもっと深刻なものなら、リラクゼーションと一緒に何とかはMさんご希望の60分コースではとても無理があります。側彎はまた別に時間を取ってとするか? いやまだそこまでのものではない、と思いました。

こうなると施術の内容が変わってきます。改善を目指すのに集中する場合と、リラクゼーションを求めている場合では当たり前ですが施術内容は違います。

私はMさんに提案しました。

「側彎が気になるのは無理もないですが、今すぐにどうにかというほどの深刻なものではまだありません。また、側彎の解消もですがMさんの肩こりには施術の回数がかかります。鞄を左でも持つようにしてもらいつつ、背中、肩甲骨周りを念入りにほぐしていきましょう。それで施術の終わりのほうでいくつか運動療法をいれます。まずは筋緊張の左右差をとることを念頭に置きましょう。これでも側彎の改善は期待できると思います」

Mさんは納得してくださり、施術開始。

Mさんが気にしていた背中のハリと肩こりはゆっくりと、Mさんがウトウトするくらいリラックスモードでほぐしました。鋭い圧は緊張させてしまうので、手のひらでゆっくり圧を加え、固まった筋膜を揺らすように外へ広げます。

側臥位になった時には腕を肩関節が痛くないように気をつけながらあげて、固まりやすい胸郭の側面、つまりわきをやはり手のひらで動きをつけて緩めます。ついで肩甲骨に動きをつける。左は特に念入りに。

ヒールで歩き回るので脚もお疲れです。実は臀部も結構凝っているのがわかり、お尻凝ってますねーと言うとホントですね、知らなかったと驚いていました。そして臀部の硬さも左右差がありました。右のほうが凝りが強いのです。

全身をほぐした後、筋肉の左右差を解消するために操体法をいくつかいれました。

施術後、Mさんは

「肩こりと背中張ってるくらいしか思ってなかったけど、色々自分の身体のことが分かって面白かったです」

と仰っていました。肩こりと背中のハリがとれて楽になったとのこと。

側彎については、この肩と背中が楽なった状態が長続きするようになる頃にもう一度画像を撮ってみましょうとしました。正直、一度ではそうそう「目に見えてハッキリわかる」ところまでの変化は現れません。

クライアントさんの初回の施術後の「楽になった!」という反応は、これが見たくてこの仕事をしているかもというくらい私には嬉しいものです。ですが、正直にお伝えしないといけないこともあります。

「Mさん、Mさんの肩こりや背中のハリ、そこから来てると思われる側彎は、日ごろの生活動作や姿勢の積み重ねでなるものです。なので、初めにお願いしたように鞄は極力、左で持つようにしてください。そしてできればしばらくは、週に一度のご利用をお願いします。施術の間が空いてしまうほど効果が薄れてしまうんです」

Mさんは当初、今身体がラクになりたい、というだけでご連絡をくださったので、この展開には引かれてしまうかなーと思いました。

側彎は正直、その為になにか問題が出てきているわけではなく、Mさんにとって当座の肩こりと背中がラクになれば問題はないわけです。でも今放置しておいたら、今後さらに側彎が進むことはあっても(職場環境が変わるなど、外部の要因の変化はここでは置いといて)良くなることはまずありません。

Mさんはちょっと考えていましたが、案外とすんなり「そうですね。今のうちに(側彎も肩こりも背中も)なんとかしておきたいから、よろしくお願いします」と仰ってくれました。

次回は側彎をメインで少し時短にし、料金をその分下げて対応、その次はその時のお疲れ度合によってまた考えましょうとし、Mさんの初回訪問は終わりました。

ご本人の気が付いていなかった状態が初回の問診(と言っても軽く前屈や後屈、ほか動きの確認とお話を伺うくらいなのですが)でわかり、突如施術の中身が変わるというのは結構よくあります。中には、

「それはそれとして、今日はリラックスしたいからリラクゼーションだけでお願い」

ということも勿論あります。

どちらでも対応できるようでありたい、と私は思っています。リラクゼーションをメインで謳っていますが、それだけではないんですよというお話です。

 

お読みいただきありがとうございます。